夢の外へ
しばらく歩いていたら、思い出したと言うように千景が急に立ち止まった。

えっ、何?

あまりにも急な出来事だった。

「どうしたの?」

私の質問には答えず、千景が後ろを向いた。

「――あかり?」

彼が何を言ったのか、私はよくわからなかった。

“あかり”って、誰?

その人の姿を確認するため、私も一緒に後ろを向いた。

「行こ」

「お、おう…」

後ろ姿の彼女が、その“あかり”さんと言う人なのだろうか?
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