夢の外へ
彼に愛人の1人や2人作ったって、別に勝手じゃん。

浅い関係になろうが、深い関係になろうが。

私、そんなの知らないし。

千景とあかりさんの間に何かあったって、私は知らないもん。

別に、どうだっていいじゃん。

「明日香」

離れたところから千景が私を呼んだ。

「今行くー!」

私は走って、千景の元へと足を向かわせた。

おかしなもんだよ。

どうしてなのかわからないよ。

だって、胸がキューッって締めつけられてるもん。

例えるとするなら、ジェットコースターに乗っているみたいだ。

ジェットコースターの高いところから低いところへ一気に下りる時、心臓がキューッって締めつけられるんだよね。

心臓に風が入るみたいな、そんな感じ。

そんな気持ちになっている自分がよくわからない。

どうしてそんな気持ちにならなきゃいけないんだろう?

千景に何があろうと、私には関係ないのに。
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