夢の外へ
「…あかりのことか?」

千景に言い当てられて、無理やり食事をしていた私の手がピタッと止まった。

「――何が…?」

もしかして…いや、もしかしなくても気づかれてる?

「あかりのこと、気にしてんだろ?」

そう聞いてきた千景に、私は首を横に振って答えた。

「何言ってんのよ。

別に気にしてないし。

どうせ仕事関係の人でしょ」

早口で私はそう返すと、グラスにワインを注ごうとした。

だけどその手は千景によって止められた。
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