君と私のsubtext


十時過ぎに、家に着く。

灯りをつけると、1DKの部屋はやたらとむなしく感じられた。

生協の紹介のうえ、奨学金もあって、バイトもしてるから、金銭的には余裕のはずなのに、この部屋はとても物が少ない。

飾る性分ではないし、物への執着がうすいせいなんだろうな。



荷物を床におろし、洗面台で顔を洗う。


部屋着に着替えて携帯電話を確認すると、メールが来ていた。


『ちぃ、大ニュースっ。来週の飲みにK先輩来るんだって!一緒に行かない??』


ゆうは、外見や中身は現代人の割に、携帯に関しては絵文字も使えない原始的な生き物だ。

画面がとても、大人しい。

まあ、もともとそういったものを一切使わない私的には、助かる。
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