君と私のsubtext
5/23 夜、長い宴
「かんぱーいっ」


大学の合宿棟にて――本当は禁止なのだが、ごみを片付ければ黙認される――、酒宴がはじまった。

私はよく冷えた巨峰サワーを口に運ぶ。

口内で弾ける、甘いアルコール。
久しぶりに口にした。


「かー。うっめー」

「会長、おっさんくさー」

「うるせぇよっ。なんだよ、梅酒なんて洒落たもん飲みやがって」

「そういう会長はカルーアミルクぅ?うっわー、乙女」

「はあああ!?飲みやすいから好きなだけだっつーの」


会長がいると、騒がしいな。


そんな風に思いながら缶を口に運ぶ。

そんな私の腕を、隣からゆうがつついた。


「ちぃ、先輩のとこ、あとで行かない?」

「…え、行くの?」

「行くっ。今夜は頑張る。お酒の力かりて、大人になるんだっ」

「……それ、意味違くない?」

「恥をかき捨てる、イコール大人だよ、ちぃっ」

「…」


ゆうの言葉に、今までにない、本気の苦笑いをしてしまった。



それから、


一番賑やかな場所。


会長の隣の席に、岸先輩はいる。
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