君と私のsubtext
「おいこら、全体会始めるぞ」
「うげっ、会長いんじゃん」
「かいちょー、存在感ありませーんっ」
「うっさいわ、岸にかなう奴なんかそうそういねぇだろっ」
「あははは」
会長のわめく声が、私の意識を引き戻す。
なんであの時のことなんか思い出してるんだろう。
もう、何年も前も。
ついた傷すら跡を残さず消えるくらい、昔の話なのに。
記憶の底に深くこびりついてしまった言葉は、その時の痛みを忘れてしまっても、勝手に浮かんでくるらしい。なんて質が悪いんだろう。
「席つこっ」
戻ってきた笑顔のゆうが、近くの机に荷物を置いて椅子を引き寄せる。
私はその隣に座る。
K先輩たちは、空間の扉付近で、私と対角線上くらいの位置になる。
黒板に近い方にいる私は、振り向かない限りその集団は見えない。
「はい、静かにー。我らがサークルの夏の合宿――という名の交流会の詳細と、参加確認が本日のメインだ。今からプリント回すから、確認しろよー。あと、休みの奴にはメールまわしといてな。返事は今週まで、待ってやる」
「会長えらそーでーす」
「ひやかし、やめぃっ」
最前列にいた私に、プリントの束が渡される。
頭に夏の合宿と題があって、日程と費用、場所――など色々書いてある。
ゆうの分をとって後ろに回し、ななめ読みしてプリントを置く。
「今年は海だってっ」
「どうする?参加する?」
空間のあちこちがにぎやかになる。
楽しそうでいいね。
私は窓の外を見る。
少し赤い、空。
「うげっ、会長いんじゃん」
「かいちょー、存在感ありませーんっ」
「うっさいわ、岸にかなう奴なんかそうそういねぇだろっ」
「あははは」
会長のわめく声が、私の意識を引き戻す。
なんであの時のことなんか思い出してるんだろう。
もう、何年も前も。
ついた傷すら跡を残さず消えるくらい、昔の話なのに。
記憶の底に深くこびりついてしまった言葉は、その時の痛みを忘れてしまっても、勝手に浮かんでくるらしい。なんて質が悪いんだろう。
「席つこっ」
戻ってきた笑顔のゆうが、近くの机に荷物を置いて椅子を引き寄せる。
私はその隣に座る。
K先輩たちは、空間の扉付近で、私と対角線上くらいの位置になる。
黒板に近い方にいる私は、振り向かない限りその集団は見えない。
「はい、静かにー。我らがサークルの夏の合宿――という名の交流会の詳細と、参加確認が本日のメインだ。今からプリント回すから、確認しろよー。あと、休みの奴にはメールまわしといてな。返事は今週まで、待ってやる」
「会長えらそーでーす」
「ひやかし、やめぃっ」
最前列にいた私に、プリントの束が渡される。
頭に夏の合宿と題があって、日程と費用、場所――など色々書いてある。
ゆうの分をとって後ろに回し、ななめ読みしてプリントを置く。
「今年は海だってっ」
「どうする?参加する?」
空間のあちこちがにぎやかになる。
楽しそうでいいね。
私は窓の外を見る。
少し赤い、空。