君と私のsubtext
「全員にまわったか?で――」


耳に届く会長の声。

隣からこそこそとゆうが声をかけてくる。
それに適当に返事を返しながら、


「岸、参加でいいの?」

「いいよ。そのへん、バイトの調整きくし」

「実家帰る、て言ってなかったっけ?」

「どーせいつでも、帰れる距離だし」

「うわっお前、嫌味かよ。俺、実家まで新幹線で何時間だと思ってんだよっ」
「そこ、うるせーぞっ」


やたらと大声で届いてくる声。

それに、ひそっと色めき立つ声。


「きいたー?参加だって、岸っ」

「やったね。参加っしょ?」

「もちっ」

「水着、どーしよ」

「何、もう遊ぶこと考えてんのー」


色々な声が耳に届く。


今日のこの空間は、やたらと声が多い。


「K先輩参加だってっ。これもう、行くしかないねっ」


ゆうの言葉に、私は小さくそうだね、て返した。
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