君と私のsubtext
断続的に続く頭痛と、人の声に心がざらつく。


どうしてこんなに不安定になっているのだろう。





理由は、理由なんて…、わかりきってる。





なんであいつのいる大学に入っちゃったんだろう。

なんであいつのいるサークルに入っちゃったんだろう。




かき乱される。

この心地に苦しめられるのなんて、わかりきっていたことじゃない。




「佐伯ちゃん、薬飲める?」



目の前に心配そうに私を見下ろす先輩の顔がある。


その手には水が入ったコップと錠剤。



本当に申し訳ない気持ちになる。



受け取ろうとした瞬間、ピンポーンとドアベルのなる音がした。



「ごめん、私出るわ」



淳子先輩が断って玄関の方に歩いていく。


それをしり目に、なんとか薬を飲み込んだ。
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