君と私のsubtext
「あれ、佐伯もいんの?ここ、仲良かったっけ?」



入ってきた会長と目があって、頭痛を押しやって頭を下げる。


正直声を出すのも億劫だった。



「バイト帰りであったら、体調悪いみたいで介抱してんの」


「ひ弱だな、佐伯。つーかまじ、顔色悪いなお前」



会長が顔を覗き込んでくる。



なんとなくよけようとしたら、頭が痛くなって小さく息を吐いた。



「おいおい、まじ平気なのか??めちゃくちゃ体調悪そうじゃん」


「え、や――。佐伯ちゃん、大丈夫??」



正直、大丈夫じゃない。


それを伝えるのも、苦しくて。








「佐伯、連れて帰るわ」








腕をつかんだその人の声が、なぜか一瞬、救いのように思えた。
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