君と私のsubtext
6/2 深夜、美化記憶
地元で、公立では偏差値トップの進学校。


そこに入る人はやっぱりどの中学でもトップ集団で、卒業後も華々しい名前の大学に通う人ばかりで、地元の人に出身高校を言えば秀才だなんだって持て囃されるような場所。


そこで私は、高校生活を送った。


勿論、自分で選んだわけだけど、実際は親が言うからそこへ通った。

そこでトップ集団にいれば、国立大に入れるからって。


だから私は基本的にトップを意識していた。






「ちいちゃん」



一年の後半の時期だった。


その頃にはすでに生徒会入りを果たしていた私は、そこそこ教師ウケもよくて、うまくやっていれば推薦で有名な大学に入れるんじゃないかとか、友人によくからかわれてた。



「予餞会の打ち合わせ日程だって」



同じ一年で生徒会の書記で――確か真鍋さんとかいう名前だった女生徒が、廊下に私を呼び出してプリントを渡してくれた。



私の学校では、予餞会が12月に行われる。



前期生徒会の主な行事が文化祭、あるいは体育祭なのに対し、後半は予餞会以外に華々しい行事はそれほどない。

そもそも進学校で、偏差値の高い集団の集まりだから、文化的行事にそれほど力が入っていない。かくいう前期の文化祭と体育祭だって、隔年で行われる。



受け取ったプリントで日程を確認すれば、結構詰まった強行軍なスケジュールだった。
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