君と私のsubtext
「ちい」


幕が下りて、前半が終わる。


暗くなった視界で、横から声がかかる。



「っ…」



なぜか息が詰まった。



「ちい」


胸もなぜか、苦しい。



「っは、い…」


私の声は、ひどく弱弱しかった。


かすかに笑い声が聞こえたかと思えば、急に頭に温もりを感じた。


「見てろよ」


俺、結構かっこいいから。




ぱ、と明るくなる視界。

温もりは、すぐ消えた。



会長が大きな声で、しゅーごー、なんてバンドのメンバーを集めている。


有志の中にはダンス部もいて、いかにもストリートな感じの格好をしている。
歌に合わせて踊るとか、そういう話だ。


会長の陰謀で練習は見れていない。

リハーサルの時は、舞台裏で打ち合わせていたから実際に見るのは初めてだ。


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