君と私のsubtext
「お疲れ様でしたー」
人が多かったから、空間の黒板側――手前側の扉を潜った。
廊下を歩く、その途中。
私が目指す東門側の入口に向かうため、結局後ろの扉の前を歩こうして、
「佐伯(さえき)、かえんの?」
先輩たちの集団の中にいた、同じ専攻の男子に声をかけられた。
なんとなく止まる足。
「うん、バイト」
「おつっ。あとさ、明日〆切のレポート、て何時までだっけ?」
「自分で確認しなよ」
「めんどっちい。うちの学部、最奥じゃん。無理」
確かに、キャンパスの入り口からもっとも最奥にある我が学部は、この空間のある共通棟から徒歩十分以上の道のり。やってられない。
私はため息まじりに、手帳を取り出す。
日付のところに、メモがある。
「17時までにレポートボックスか手渡し」
「うし、寝なきゃ間に合う。サンキュ」
「いいえ。こちらこそ、いつも平均下げてくれてありがとね」
「ひでぇっ」
そういって相手が笑ったので、私も小さく笑って手帳をしまう。
人が多かったから、空間の黒板側――手前側の扉を潜った。
廊下を歩く、その途中。
私が目指す東門側の入口に向かうため、結局後ろの扉の前を歩こうして、
「佐伯(さえき)、かえんの?」
先輩たちの集団の中にいた、同じ専攻の男子に声をかけられた。
なんとなく止まる足。
「うん、バイト」
「おつっ。あとさ、明日〆切のレポート、て何時までだっけ?」
「自分で確認しなよ」
「めんどっちい。うちの学部、最奥じゃん。無理」
確かに、キャンパスの入り口からもっとも最奥にある我が学部は、この空間のある共通棟から徒歩十分以上の道のり。やってられない。
私はため息まじりに、手帳を取り出す。
日付のところに、メモがある。
「17時までにレポートボックスか手渡し」
「うし、寝なきゃ間に合う。サンキュ」
「いいえ。こちらこそ、いつも平均下げてくれてありがとね」
「ひでぇっ」
そういって相手が笑ったので、私も小さく笑って手帳をしまう。