君と私のsubtext
「ちょっと、何言ってんのよ」



思わず抗議すれば、見下ろす視線を向けられる。




「いいだろ?どうせ遠慮する相手もいないんだし」

「っ」




信じられないほど失礼な言葉を吐かれた。


確かにそうだけど、どうしてそこまで神経に触るような言い方するのよ、こいつ…っ。



文句を言おうと口を開いたが、それより先にあいつが歩き出すから前のめりになってしまう。

慌てて姿勢を正せば、そんな私の状態がわかっているくせに目の前の男は振り向きもしない。


平然と部屋の鍵を閉め、歩き出す男を睨む。





「何?」


「離してよ、帰る。講義もあるから」


「本日はサボり。俺に付き合え」


「そんなことできるわけ――」




抗議を言おうとすれば、またもや遮るように捕まれたままの腕を引かれ、あいつの隣に引き寄せられる。


下から睨むように視線を合わせれば、あいつが小さく苦笑いする。






その笑みが、記憶の片隅でだぶる。








「本当、ちぃの口から出る言葉は嘘ばっかだな。俺じゃなかったら誤解するから気をつけろよ」







そんな風に言うから、いつもわかったふりしないで、としか言えなかった。




今回は何て言う気だ。
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