君と私のsubtext
「ねぇ佐伯」


「何よ?」


「映画でいい?見たいのあんの」


「勝手にすれば」



どうせ腕をつかまれたままじゃ、逃げられそうにない。



諦めてついていく。




「ていうか、さ」


「何よ」


「佐伯こそ気づいてる?」


「だから何?」



背中を睨めば、振り返ったあいつと目があう。






ひどくまっすぐ目があってしまったせいか。





逃げたい、という思いが浮かぶ。



でも、それは悔しいからなんとかその場に踏みとどまる。



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