君と私のsubtext
「佐伯、交流会行くの?」
「未定」
「何だそれ?」
「バイト空くかどうかわかんないし」
「そこは空けとけよ。ほら、みんなの憧れ、岸先輩も来るんだしさ」
言われなくても聞こえてたこと、本人が近くいるのに言うなよ。無神経。
ちらりと空間に目を向けると、岸先輩はみんなに囲まれて話していた。
あんだけ騒がしければ、廊下の話など、きこえない、か。
「それに、お前滅多に顔ださねぇんだから、たまには出してもいいじゃん。来年はまだいいけど、再来年なんて俺たち四年だぜ?就活終わってっか、びみょー」
苦笑いでこたえる。
確かにその通り。
就職難の荒波は、未だ勢い劣れず。四年生の先輩の中には、内定決まっていない先輩方がちらほらいる。
実態を把握していないからそれが普通かどうかわからないけど、やっぱり自分の先行きは不安で仕方ない。
まあ、まだ先の話だから、今から悩んでも仕方ない。
ちら、と時計を確認して、そろそろ行かないとアウトな時間が迫っているのに気づく。
「じゃ、遅れるから」
「ん、頑張れよ」
手を振られたので、小さく振りかえして歩き出す。
「佐伯」
耳によくなじむ、低い声。
「未定」
「何だそれ?」
「バイト空くかどうかわかんないし」
「そこは空けとけよ。ほら、みんなの憧れ、岸先輩も来るんだしさ」
言われなくても聞こえてたこと、本人が近くいるのに言うなよ。無神経。
ちらりと空間に目を向けると、岸先輩はみんなに囲まれて話していた。
あんだけ騒がしければ、廊下の話など、きこえない、か。
「それに、お前滅多に顔ださねぇんだから、たまには出してもいいじゃん。来年はまだいいけど、再来年なんて俺たち四年だぜ?就活終わってっか、びみょー」
苦笑いでこたえる。
確かにその通り。
就職難の荒波は、未だ勢い劣れず。四年生の先輩の中には、内定決まっていない先輩方がちらほらいる。
実態を把握していないからそれが普通かどうかわからないけど、やっぱり自分の先行きは不安で仕方ない。
まあ、まだ先の話だから、今から悩んでも仕方ない。
ちら、と時計を確認して、そろそろ行かないとアウトな時間が迫っているのに気づく。
「じゃ、遅れるから」
「ん、頑張れよ」
手を振られたので、小さく振りかえして歩き出す。
「佐伯」
耳によくなじむ、低い声。