キミが望むのなら
「自販機のジュースだけじゃ美樹の気がすまないよぉ!そこの喫茶店で何か奢るから行こぉ~~?」
美樹も美樹で引き下がらない。
そんな美樹に負けたのか……
「じゃあ、ごちそうになろうかな」
そう言った彼。
チャラそうな見た目の割に、中身はしっかりしてるんだな―……
さて、美樹の方もなんとか纏[まと]まったみたいだし。
「美樹、あたしそろそろ行くね」
「あっ、うんっ。ごめんねぇ。篤史君によろしくぅ~~」
「はいはい」
これから美樹の被害にあうであろう信二君に、情けの意味も込めて少しだけ頭を下げてそこを後にした。
――♪~♪~~♪
篤志との待ち合わせに向かっていると、鳴り出した携帯。
「……はい」
『遅い、何してんの』
第一声がそれかよ……
なんて心の中で悪態付きながら、黙って次の言葉を待つ。