キミが望むのなら
「うぅん。大丈夫。それに、悠君にこうしてもらえると、ホッとする」
その言葉に、胸がギュッとなる。
「っ……な、なんであたしって、こんなんなんだろ……?」
「え……?」
抱きしめたままの桃香ちゃんが、ボソッと呟くようにそう言った。
「あたし……なんで、何も出来ないの……?」
「桃香ちゃん……?」
「別れることさえっ、出来なかった……っ……」
っ―……
ポロポロと瞳から涙が流れる。
「やっぱり、こんなあたしって何も出来ない。何も……」
「っ!!桃香ちゃんっ!!」
俺が……
俺が、彼女を守ってやらないと。
俺が、彼女のそばにいてやらないと。
俺が……彼女を守ってやりたい。
俺が、彼女を笑顔にしてやりたい―……