キミが望むのなら
「大丈夫だから。俺がいるから……」
「っ……」
「俺がそばにいるから」
「うぅ―……」
俺がそばにいたいだけなのかもしれないのに……
そう言う俺は、やっぱりズルいな……
強く強く抱きしめ、このまま俺の腕の中から離してやりたくない。
これ恋なのか、違うのか……
まだ分からないけど、彼女は俺の中で特別になっていることだけは……確かだった。
――――――――――――――……
「落ち着いた?」
「うん……。ごめん」
「謝らないで、笑ってよ」
「え?」
俺はキミの笑顔が好きなんだ。
「俺はその方が嬉しい」
「っ……うんっ」
少し笑顔になった彼女に、心が温かくなる。