キミが望むのなら
「ねぇ、桃香ちゃん……。もう、彼氏と連絡を取るのはやめよう」
「え!?でもっ!!」
「このままじゃ桃香ちゃんの体が心配だ。きっとここだけじゃないんだろ?」
「っ!」
頬を見つめながらそう言うと、ビクッと体を震わせた。
「前から暴力は奮われてたの……?」
「うぅん……。怒ることや、キレることはよくあったけど……」
「じゃあ、やっぱり俺のせいだね……」
「え?」
「俺が、手を繋いだままだったから……」
「っ!!それは違うよっ!!」
「桃香ちゃん……」
必死に横に首を振る。
この気持ちは何なんだ……?
今までにはない、この感情。
桃香ちゃんを見ると、無性に俺の心が苦しくなる。
俺……桃香ちゃんのこと、どう思ってるんだ……?
こんな状況を見ての同情……?
それとも、ただの正義感……?
いや、違う。
こんなことじゃない、もっとシンプルな想い……