キミが望むのなら


篤志の学校まで乗り込むとか言っちゃって、それはさすがに止めた。


何より、もう関わりたくなかった。


「……ねぇ、あれから何も連絡ないの?」


「うん……」


2日前、あたしから篤志に『別れよう』とメールを送った。


その時ずっと美樹がそばにいてくれたから、送れたんだろう……


じゃないと、あたし1人じゃ、こんな勇気出なかった。



「そっか、よかったねっ!!」


「う、うん」


そう美樹は言ってはくれてるけど、本当はまだそう思ってないでしょ?


全く連絡がないっていうのは、逆に怖いって……そう思ってるんでしょ?


でもあたしを不安にさせたくなくて、そう言ってる……



それが美樹の優しさ。



「で~、桃香ぁ~~」


「でって?」


「もぉ、しらばっくれないでよぉ~。悠君とは最近どうなのぉ~~」


「っ!!な、なんでっ!!」


あたし、悠君のことは一切話してないよ!?


「信二君に聞いたのぉ~。悠君と桃香がいい雰囲気だってぇ~~」


「なっ!!いい雰囲気とかじゃないからっ!!」


誰よっ!!そんまデマを流したのは!!




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