キミが望むのなら


「えへへ~~、最近は電話もしてくれるようになったんだぁ」


話題すり替え作戦、成功。



「へぇ―、じゃあこのままいけば、上手くいくかもしれないんだ?」


「だといいなぁ~~」


エヘッと笑った美樹は、これこそ『恋する乙女』そのものだと思った。


「桃香もぉ~、そんな深く考えないでいいんだよぉ?」


「へ?」



「意外に気持ちの答えは、シンプルなものだからねっ♪」


パチッとあたしにウィンクをする。


シンプルなもの……か。


―――――――――――――……



「こ、こんばんは」


「こんばんは」


ニコッとあたしに向けてくれる笑顔に、またドキッと心が跳ねてギュ―っと苦しくなる。



「さ、最近、来るの早いね?」


待ち合わせ時間なんて決めてないけど、自然に9時頃に集まるようになったあたしたち。



でも最近はあたしが9時前に着いても、悠君はもうすでにベンチに座っていることが増えた。



「ん―……桃香ちゃんに早く会いたいからね」


「なっ///」


「な~んてね」


っ!!



< 125 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop