キミが望むのなら
「えへへ~~、最近は電話もしてくれるようになったんだぁ」
話題すり替え作戦、成功。
「へぇ―、じゃあこのままいけば、上手くいくかもしれないんだ?」
「だといいなぁ~~」
エヘッと笑った美樹は、これこそ『恋する乙女』そのものだと思った。
「桃香もぉ~、そんな深く考えないでいいんだよぉ?」
「へ?」
「意外に気持ちの答えは、シンプルなものだからねっ♪」
パチッとあたしにウィンクをする。
シンプルなもの……か。
―――――――――――――……
「こ、こんばんは」
「こんばんは」
ニコッとあたしに向けてくれる笑顔に、またドキッと心が跳ねてギュ―っと苦しくなる。
「さ、最近、来るの早いね?」
待ち合わせ時間なんて決めてないけど、自然に9時頃に集まるようになったあたしたち。
でも最近はあたしが9時前に着いても、悠君はもうすでにベンチに座っていることが増えた。
「ん―……桃香ちゃんに早く会いたいからね」
「なっ///」
「な~んてね」
っ!!