キミが望むのなら
冗談かよっ!!
いや、普通に考えて冗談でしょ!?
何、ガッカリとか思っちゃってるわけ!?あたし!!
「あっ、そういえば、これあげる」
「え?」
そう言って手を出してきた悠君に、あたしも自然に手を差し伸べた。
「はい」
コロンと手に落とされたのは……アメ玉?
「今日信二にもらったんだ」
「え?それをあたしがもらっていいの?」
「いいよ。俺、甘いものダメだからさ」
甘いものがダメ。
また新しい悠君の情報をゲットした。
この公園で会うようになって、少しは距離を縮めてこれてると思うんだけど……
そこまで、自分のことを話したがらない悠君。
だからあたしも、無理には聞かないようにしてる。
「じゃあ……いただきます」
「どうぞ」
月明りと街頭でほんのり見えるピンク色の袋を開けて、そのアメを口に含む。