キミが望むのなら
――バシッ
「痛ぃ~~。桃香、暴力反対ぃ~~」
頭を軽く叩いただけで暴力って……
そんな痛くないはずだけど?
「で?なんで美樹が信二くんに会うために、あたしまでここに来てるのよ」
「とか言ってぇ~、桃香も悠君に会いたいでしょぉ?」
「べ……別に」
「もぉ~、強がっちゃって♪」
っ///
「で、でも正門はやめようよ……。目立つし……」
「え~~、美樹は平気だよぉ?」
あたしが無理なんだよっ!!
こんな進学校の前で待つなんてっ!!
放課後になって突然『今日は美樹が奢るから出かけよぉ?』と言ってきた美樹。
なんであの時にあたしは疑わなかったのよ……
それから本当にクレープを奢ってくれた美樹。
そしてクレープを食べ終わったとたんに『行こう』と言われて連れてこられた学校。
最初からこれが狙いだったんだな~~