キミが望むのなら
「信二君、昨日はありがとね」
「え?」
「アメ、悠君があたしにくれたんだ。信二君がくれたアメ」
「へ?俺が?」
「う、うん……」
あ、あれ?
なに?その反応……
「ねぇ、そのアメって……もしかして桃味?」
「うん。美味しかったよ、ありがと」
「あぁ~、そういうこと」
ニヤニヤとしながらあたしを見てきた信二君。
な、なにか変なこと言った……?
「桃香ちゃん、いいこと教えてあげようか?」
「いいこと?」
……一体なに?
「そのアメね、俺があげたわけじゃないんだ」
「え……?でも悠君、甘いもの嫌いだから、あたしにあげるって」
「あのね~、さすがに俺も悠が甘いもの嫌いって知ってるよ。それなのにそんな物あげるわけないでしょ?」
そ、そう言われれば確かに……