キミが望むのなら


「あのアメはね、きっと桃香ちゃんの為に買ったんだよ」


「え!?」


「そのアメ、何味だった?」


「え?だから桃……っ!!」


いやいや、だからって!!


「たぶん悠が言った『好きそう』って言ったのは、桃香ちゃんのことだったんだろうね」



「っ……」


「でも、桃香だから『桃味』が好きとは、限らないのに。あいつって、ちょっと変だよな」



そうなの……?


本当にあたしの為に買ってくれたの……?


あたしが好きそうだと思って……



「最近様子がおかしいと思ったら、やっぱりそうか」


……あたし、なんでこんなに嬉しいの?


「考えてみればダブルデート以来、あいつちょっと様子おかしくなったからな」



……なんで、こんなにドキドキしてるの?



「ねぇ、桃香ちゃんは悠のことどう思う?」


あ……あたし……



あたしは……





< 137 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop