キミが望むのなら
「あ、あたしたち、別れたはずでしょ……?」
「俺は認めてないよ?」
「そ、そんな……」
なんでそんな平然とした顔で、あたしの前に立っているの……?
あたしに何をしたか、覚えてないの……?
――スッ
「っ……」
頬に触れる篤志の手。
「大分腫れは引いたな」
なっ……
「痛かったか?」
「あ、当たり前……でしょ……?」
早く手をどけてほしい。
あたしに触れないでほしい。
――ねぇ、誰か助けて……