キミが望むのなら
「桃香、いうこと聞けよ!!」
「ヤダヤダヤダっ!!」
――パシッ
……っ
「あんまり大声あげるんじゃねぇよ。人が来るだろ?」
ヒリヒリと痛む頬。
この前のことが、走馬灯のようにフラッシュバックする。
何度も何度も抵抗しても殴られ、蹴られる……
またそんな恐怖を味わないといけないの……?
周りの風景が歪んで見える……
「行くぞ、桃香」
もう怖くて、抵抗なんて出来なかった……
―――――――――――……
「ほら、入れよ」
そう言って押し込むように入れられた、篤志の部屋。
そしてゆっくりと近づいてくる。
「やっ……」
「頬、少し腫れたな……」
……え
「今、濡れタオル持ってくるから」
そう言ってキッチンに向かう篤志……