キミが望むのなら
大丈夫なわけないじゃん。
起き上がるのさえ、できないのに……
倒れたままそういう悠君を、そっと抱きしめた。
「っ!!桃香、そいつから手離せよ……」
「……」
「桃香っ!!」
――バンッ
……え?
「あらあら、派手にやっちゃたねぇ~」
……なんで信二君が?
部屋を見渡して、土足のまま上り込んでくる信二くん。
「てめぇ~誰だよ」
「ん?そこに倒れている悠君の親友」
「は……?」
ニコッと信二くんは笑ったけど、目が全然笑ってない。
「桃香ぁ!!」
信二君の後に、急いで中に入ってきてあたしに駆け寄ってくる美樹。
「なんで美樹まで……」
「ごめん、ごめんねぇ~~。美樹が桃香を一人にしたからぁ~~」
あたしを抱きしめて、ワンワン泣き出した美樹。