キミが望むのなら
「っ!!桃香、そいつから手離せよ……」
「……」
無言のまま俺から離れようとしない桃香ちゃん。
このままじゃ、桃香ちゃんが危ない。
桃香ちゃんが……
「桃香っ!!」
――バンッ
……え
「あらあら、派手にやっちゃたねぇ~」
……信二
ドアを乱暴に開け、そのまま中に入ってくる信二。
「てめぇ~誰だよ」
「ん?そこに倒れている悠君の親友」
「は……?」
こいつ、ブチキレてる……
いつものへらへらした雰囲気が全くない。
「桃香ぁ!!」
信二の後に入ってきた美樹ちゃんが、涙ながらに桃香ちゃんのそばに掛け寄ってくる。
「なんで美樹まで……」
「ごめん、ごめんねぇ~~。美樹が桃香を一人にしたからぁ~~」
桃香ちゃんを抱きしめて、本格的にワンワンと泣き出した美樹ちゃん。