キミが望むのなら



「俺、桃香ちゃんを助けてあげられてよかった」


この腕の中にいる桃香ちゃん。


その実感が、手を……心を……震わす。



「ふうぇ……ありがとぉ~」


っ///


ギュ―ッと強く抱きついて、子供みたいに泣き出す。


か……かわいい///


こんな弱い彼女は初めてで、ドキドキと胸が高鳴る。


抱きしめ返そうとする手が、さっきと違う意味で震える。


や、やばいって……


こんな至近距離に居られたら、俺の心臓の音聞かれるっ……



「あのさ……」


え……?


「完全に俺らの存在忘れてるよな?」


「「っ!!」」


「もおぉ~~、ここ美樹の部屋なんだよぉ~」



ぷくっと頬を膨らまして、俺たちを見る。



バッと体を離した俺たち。


「あ、あたし帰るねっ///」


えっ!?




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