キミが望むのなら
それから信二の家に向かった。
信二の両親はとても温かくて、家出をした傷だらけの俺に、何も言わず向かい入れてくれた。
俺の両親も、こんな人たちだったんだよな……
なんて、少し思い出に浸ってしまった。
「ほらよ、ウーロン茶」
「あっ、サンキュ」
投げ渡されたペットボトルのウーロン茶。
信二はベットに座り、俺と同じくウーロン茶を飲む。
「さて、話聞こうか……」
――ドキッ
そりゃあ、そうだよな。
家出の原因くらい、聞いてくるよな……
「悠さ…………ぶっちゃけ桃香ちゃんのこと好きなのか?」
「…………はあっ!?///」
まさかの質問に、とても俺には似合わない大声を出してしまった。
「だってさ~~、今日のことといい、あのアメだって桃香ちゃんにあげるために買ったんだろ?」
「っ!なんでそれをっ!!」
「俺をなめんなよ~~」
ニヤニヤと笑い、ウーロン茶をまた口に含む。