キミが望むのなら


「告白しろよ、桃香ちゃんにさ」


「……」


「はぁ―……度胸がない男は嫌われるぞ!」


可愛く言われても、信二じゃ全然可愛くない。


「桃香ちゃんを庇った時みたいにさ『桃香!好きだ』って……」



「おい、ちょっと待て。なんだそれは……」


「え?今日桃香ちゃんの元彼の部屋に入る前に聞こえたんだよ。お前が『桃香っ!!』って言ってるとこ」


「っ!!」


「あのまま呼び捨てで呼べばいいのにさ~~」


最悪だ……


そんなところまで聞かれてたとは……


あの時は必死で、気付いたら『桃香』と呼んでいた。



桃香ちゃんも何も言ってこなかったから、このままスルーしようと思ってたのに……



「そういう信二こそ、美樹ちゃんとどうなんだよ」


「え?俺!?」


「気になってんじゃねぇの?」


「あぁ―……まぁな」



やっぱりな。


「お前こそ告白しろよ」


絶対うまくいく。


美樹ちゃんだって、好き好きオーラ出まくってるし。




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