キミが望むのなら
「お前さ、俺に遠慮してるのか?」
「っ……」
「はぁ―……やっぱりそうなのか」
こいつ、変なところで遠慮するんだよなぁ―……
「それだけじゃねぇよ。……美樹ちゃんさ、少し変な噂があるんだよ」
「変な噂?」
「そっ、男を弄[もてあそ]んで捨てるって」
「は?」
「俺も最近他校のダチから聞いてさ。まぁ、忠告されたって感じ」
「そっか……」
あの美樹ちゃんが……
「でもさ、好きだと一回思ったらなかなか消えなくて。だからって告白して、飽きられるのも怖いんだよな……」
こいつの恋バナって、何気に初めて聞いたな。
「はぁ―……もう悩みだらけだよ」
「他にも何かあるのか?」
「ほら、俺らこう見えて一応受験生じゃん?大体の夢は決めてるんだけど、どこに行こうか迷っててさ~~」
「え?お前って何か夢あるのか?」
「あぁ、俺一応プログラマーになりたくてさ。そのために進学しようと思ってんだ」
プログラマー……
「そっか、すごいな……」