キミが望むのなら


夢を持って、その夢に向かって努力している信二。


なのに俺は……


「悠にはさ、夢とかないのか?」


「は?俺は普通に跡を継ぐぞ」


あっ、でもそれすら危ういか……


「ふぅん、じゃあそれが悠の夢なんだな」


「……え?」


「ん?なに?」


「いや、別に……」


そんな風に考えたことなかった。


両親が亡くなった時に、自然にそういう流れになって……


俺にはこの道しかないから、夢を持たないようにしていたけど……


俺って……


「さ、そろそろ寝るぞ。明日も学校だし」


「あぁ、そうだな」


信二のベットの横に敷いくれた布団に入る。






――俺の夢……か。






< 175 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop