キミが望むのなら
夢を持って、その夢に向かって努力している信二。
なのに俺は……
「悠にはさ、夢とかないのか?」
「は?俺は普通に跡を継ぐぞ」
あっ、でもそれすら危ういか……
「ふぅん、じゃあそれが悠の夢なんだな」
「……え?」
「ん?なに?」
「いや、別に……」
そんな風に考えたことなかった。
両親が亡くなった時に、自然にそういう流れになって……
俺にはこの道しかないから、夢を持たないようにしていたけど……
俺って……
「さ、そろそろ寝るぞ。明日も学校だし」
「あぁ、そうだな」
信二のベットの横に敷いくれた布団に入る。
――俺の夢……か。