キミが望むのなら
それがおばあ様の望むことだったから。
「それでいいと思ってるはずなのに、心はそう思ってなかったみたいで、苦しくて息が出来なくなりそうだった……」
「悠君……」
「だからここに来て、毎日違う夜空を見て時が過ぎることと、自分が生きてることを実感してた」
こんなことを話したのは桃香ちゃんが初めてだった。
彼女には、隠し事をしたくない気がした。
「でも、逃げてるだけなのかもね……」
逃げて、逃げて……
結局何も見つけられない。
そんな弱い奴なんだ。
「前に進まなきゃいけないのかも……」
「悠君」
「桃香ちゃんも、ちゃんと前に進んでるんだしね」
元彼にちゃんと別れを告げた桃香ちゃん。
それは桃香ちゃんにとって、とても大きな一歩になったと思う。
俺も、その場で足踏みなんかしていられない。