キミが望むのなら


「こんな風に考えることが出来たのも、桃香ちゃんのおかげだね」


「えっ!?あ、あたし何もしてないよっ!!……何もしてあげられてない」


シュンと小さく落ち込む桃香ちゃん。


違うよ、桃香ちゃん。


桃香ちゃんのおかげなんだ。



「こうやって話せる相手、桃香ちゃんが初めてなんだ」


本当は誰かに聞いて欲しかったのかもしれない……


でも、弱い自分は見せたくなくて……


変なプライドで、自分で自分の首を絞めていたのかも……



そんな俺をさらけ出させてくれるキミ。


それって、俺にとって何よりもの救いなんだよ?



「ちゃんと明日話に行ってくる」


おばあ様は話もしたくないかもしれないけど……


「うん、そっか……」


俺の目をジッと桃香ちゃんの瞳が見つめる。


「大丈夫だよ、悠君なら」


「……桃香ちゃん」


「なんてったって悠君は、あたしのヒーローなんだから。そんなことじゃ負けないでしょ?」


「ぷはっ。そうだったね」



別に戦いに行くわけじゃないのにさ。


本当に、面白くて、優しい女の子だ―……




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