キミが望むのなら


――――――――――――……


「お世話になりました」


「いえいえ、またいつでもいらっしゃいね」


温かい信二のお母さんに見送られ、信二と一緒に家を出た。



「突然昨日、帰るなんて言い出したから驚いたよ」


「あぁ、ごめんな。世話になったよな。ありがとう」


「いや、それはいいんだけどさ。本当に夕食食べていかなくていいのか?」


通常通り学校に行き、今から自分の家に帰る。


「ん―、いいや。サンキュ」


「でも昨日の夜に突然決心したのって、やっぱり桃香ちゃんが原因?」


ニヤッと笑みを浮かべる。


「……まぁな」


紛れもなく、彼女がいたから、このままじゃいけないと思ったんだ。



「俺さ、ちゃんとおばあ様と話したら、気持ち伝えようと思う」



「え!?それって桃香ちゃんに!?」


「あぁ―……」


俺の気持ちを、ちゃんと伝えたい。


「だからお前も怖がらないで、自分の気持ち伝えてみろよ」


「ふっ、なんだよ。昨日の夕方までウジウジしてた奴がさ~。次は俺にアドバイス?」


「別にそういうわけじゃないだろ」


「はいはい。本当に恋の力は偉大だねぇ~~」


パシパシと背中を叩かれる。




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