キミが望むのなら


店全体に綺麗に飾られている、着物や帯。


その綺麗さに、うっとりとしてしまう。


「奥の部屋に行こうか……」


「あっ、うん」


奥に行くと従業員の休憩場所なのか、小さなちゃぶ台がある部屋に着いた。



「座って」


「は、はい……」


「ふっ、そんなかしこまらないでよ」


「っ……」


少し頬が熱くなりつつ、その場に座った。


「えっと、何から話せばいいんだろ。……まぁ、大体わかると思うけど俺、ここに住んでるんだ」


「ってことは、おばあさんが……?」


「そう、ここの女将。つまり3代目」


そ、そうだったんだ……


引き取られてところってここだったんだ。



「お、驚いたけど……そっか、そうだったんだ」


つまり、今まで早く帰ってたのも、ここを手伝うためなんだ。


信二君もそれを知ってて、わざとあたしをここに来させたのねっ!!




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