キミが望むのなら
ん?でもおばあさんが3代目ってことは……
「悠君もここを継ぐの……?」
「っ……」
えっ……?
もしかして、聞いちゃいけないことだったかな……?
顔を少し歪めた悠君を見て、そう思った。
「昨日、おばあ様が倒れたんだ……」
「えっ!?」
「おばあ様、肺がんなんだよ……」
肺がん……
「なのに、手術しないって言っててさ……」
「そんな危険な状況なの……?」
ドクドクと胸が鳴る。
「このままほおっておくと危険だって……」
俯いている悠君からは表情が読めない……
「な、なんで手術しないの?」
「ここを長期で休むわけにはいかないからって……」
女将としての、責任感なのかな……?
でも、だからって自分の命を削るようなことまでするなんて……
「俺がいるのに、長期で休めないっていうのは、俺を信頼してないんだよな……」
「悠くん……」