キミが望むのなら


「ごめんね、2ヶ月記念日に一緒に居れなくて……」


「あっ!うぅん!就任式の方が大事だし!」


「俺は桃香の方が大事だよ?」


「っ……///」


サラッとこんなことを簡単に言ってのけてしまう彼は、強者だと思う。


冗談でも、嬉しいものは嬉しいし。


「そ、それに、香水くれただけです凄く嬉しいよ」


物をくれたから嬉しいわけじゃなくて、悠君があたしを思って選んでくれたっていう事実が何よりも嬉しい。



「俺も嬉しい」


「え?」


「俺の選んだ香水は、一種のマーキングと一緒だからね」


「へ?」


「桃香は知らなくていいよ」



……マーキング?


「でもさ……こんな甘い桃の香りさせてるとさ……」


「な、なに……?」


ジッと見つめられる瞳。



「ついつい食べたくなっちゃうよね」


「えっ!?///」


わざとらしくぺろりと舌を出す。




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