キミが望むのなら
元カノの存在‐悠Side‐
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「あれ、またそれ買うのか?」
「あぁ、そろそろ無くなるから」
信二と購買に寄ったついでに、いつものアメの袋を手に取る。
信二の手には、もうすでに信二の買った炭酸ジュースが握られていた。
「お前もよくやるよなぁ~、それ、桃香ちゃんの為に買ってるんだろ?」
「まぁ、桃香がこれあげると嬉しそうに笑うからさ」
手元にある袋を見て、つい笑みが零れる。
「桃香ちゃんのこと大好きなんだな♪」
「まぁな」
「っ!!」
「な……何だよ」
口元に手を持ってきて、眉を寄せながらフルフルと顔を振る信二。
「甘いっ!!」
「は?」
「何なんだよ!その溺愛ぶりはっ!!」
溺愛って……
「別にいいだろ。俺の勝手だ」
「うわぁ~~、まさか悠が本気女に惚れると、こんな男になるとはビックリだよな~~」
「うるせっ……」
バカなことを言う信二をシカトして、会計にアメの袋を持っていく。