キミが望むのなら
「187円になります」
「はい」
200円渡し、おつりを待つ。
「はい、13円のお返しです」
「どうも」
黄色のテープが貼られたアメの袋を、レジの女の人から受け取る。
「そのアメ好きなの?」
「え?」
「いつもこのアメ、買ってるでしょ?見かけによらず可愛いわね」
「っ!」
ニコッと笑うその女の人。
「違いますよ~~、これはこいつの彼女が好きなんですよ♪」
ドシッと肩にもたれ掛りながら、信二がそう答えた。
……重い。
「あら、彼女になんて。凄く彼女のこと好きなのね♪」
「そうみたいなんですよ~~、もうこいつの溺愛っぷり、ヤバくて~~……」
こいつ……
「先に行くからな」
「えっ!ちょっと待てよ!悠っ!!」
バイバイ~とレジの人に手を振り、俺の後を急いで追いかけてくる。