キミが望むのなら



「つ―かさ、お前も俺のこと言えなくねぇ?」


「へ?」


「美樹ちゃんと、順調なんだろ?」


「えっ!?ま、まぁな///」


照れたように髪をクシャと掴む。


俺と桃香が付き合ったその日、信二と美樹ちゃんもめでたくカップルとなった。


「でもさ、やっぱりたまに不安になるんだよね……」


「不安……?それって前言ってた悪い噂?」


「まぁ―……。美樹ちゃんにそのこと話したら『事実だって』言われたし……」


「は!?お前聞いたの!?」


それは知らなかった。



信二から告白して、付き合ったとしか聞いてなかったし。


「それで、なんで付き合うことになったんだよ?」


「いや~、その後美樹が泣いてさ~~。それ見てたら、なんかこう~~」


「こう?」


「可愛くて堪らなくなって。……押し倒したくなった」


……バカ。



エヘッとウィンクをしながらオチャラける信二に、俺はため息しか出ない。


「まぁ、それは半分嘘で……」



半分は本当なんだな……




< 218 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop