キミが望むのなら
「つ―かさ、お前も俺のこと言えなくねぇ?」
「へ?」
「美樹ちゃんと、順調なんだろ?」
「えっ!?ま、まぁな///」
照れたように髪をクシャと掴む。
俺と桃香が付き合ったその日、信二と美樹ちゃんもめでたくカップルとなった。
「でもさ、やっぱりたまに不安になるんだよね……」
「不安……?それって前言ってた悪い噂?」
「まぁ―……。美樹ちゃんにそのこと話したら『事実だって』言われたし……」
「は!?お前聞いたの!?」
それは知らなかった。
信二から告白して、付き合ったとしか聞いてなかったし。
「それで、なんで付き合うことになったんだよ?」
「いや~、その後美樹が泣いてさ~~。それ見てたら、なんかこう~~」
「こう?」
「可愛くて堪らなくなって。……押し倒したくなった」
……バカ。
エヘッとウィンクをしながらオチャラける信二に、俺はため息しか出ない。
「まぁ、それは半分嘘で……」
半分は本当なんだな……