キミが望むのなら


「いや、俺も女々しいとは分かってるよ!?だけどキス下手とか、他の男と比べられてたらどうしよう!とか考えたら止まらなくて……」


「……っ」


「っ!あからさまに笑いこらえるなよっ!!」


「ふはっ!悪い悪い」


息を深く吸い、息を整える。



「もういい。悠には相談しねぇ―……」


「悪かったって。でも俺が笑ったのは、決してバカにしたわけじゃねぇよ」


「そんなフォローいらね」


ジュースを一気に飲んで、俺を睨む。


「フォローじゃねぇよ。たださ、お前も俺のこと言えないくらい、美樹ちゃん溺愛してんだな―……って思っただけ」


「っ……」


「いいじゃん。過去の男なんて。俺たちが最後の男になればいいんだからさ」


過去は過去。


今更どうしようもない。


でも、これからのことは自分次第でどうにか出来るかもしれない。



俺は、桃香の最後の男になりたい。


もちろん、桃香にも俺の最後の女になって貰わないと困るけど。



「悠……お前、カッコよくなったな……」


「は?」


カッコよくなったって、ある意味失礼じゃないか?




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