キミが望むのなら


……桃香の進路。


「そういえば聞いたことない」


「は?この時期なのに?」


「あ、あぁ―……」


そうだよな。


もう大体の人は進路を決めているよな。


「でも何も言ってこないってことは、こっちで決まってるんじゃないか?」


「そうだな……」


少し不安になるのは、桃香のあの言葉があるから……



――『……あたしは、夢なんて』


出逢ってすぐのことだから、今は何か変化があったかもしれない。


でも、悩んでいるならちゃんと、俺が支えてやりたい。



桃香の夢は、俺の夢でもあるから。



「今度ちゃんと話してみるよ」


「だなっ。いつでも時間はあるんだろ?」


「休憩の時なら少しは……」


「なんだよ、その言い方。もしかして……あんまり桃香ちゃんとの時間、取れてないってことじゃねぇよな?」


「……」


図星……



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