キミが望むのなら
忙しい日々が続き、あまり2人になるタイミングがない。
「店の従業員はほとんんど知ってるんだろ?」
「まぁな。でもそんなベタベタ出来ないだろ……。跡取りの俺が……」
「あぁ―……大変なんだな。跡取りも」
桃香との付き合いは順調だと思う。
でもデートも満足にしてあげられないなんて、本当に申し訳ない。
「それより、進路の紙出してこなくていいのかよ?」
「おっ!!そうだった!!」
ハッとしたようにバタバタと走って行ってしまった。
忙しいヤツ。
はぁ―……それは俺も同じか……
――――――――――――……
「悠、俺今から美樹を学校まで迎えに行くけど、お前も時間があるなら一緒に行かね?」
放課後になってすぐに、ぺったんこの何も入ってないようなカバンを片手に、俺のところにやってきた信二。
「そうだな―……」
「桃香ちゃんもこの後、悠のところでバイトだろ?せっかくだから一緒に行けば?」
「あぁ、そうするよ」
一緒に居れる時間は、貴重な時間だからな……