キミが望むのなら
そんなわけで俺たちは桃香の通っている高校に向かった。
何気に俺、初めて来たんだけど……
「あのっ……誰か待ってるんですかぁ~~?」
……誰だ?
「うん、ちょっと彼女をね」
さすが信二。
ニッコリと笑顔でそう返す信二に関心した。
「か、彼女さんですか……」
あからさまにショックを受けている2人組の女の子。
「あれぇ?悠くんも一緒だぁ~~!!」
「えっ!?悠君!?」
驚いたような声が聞こえ、その方向から走り寄ってくる桃香と美樹ちゃん。
「どうしたの!?悠君も一緒に来るなんて」
「うん、信二が美樹ちゃんを迎えに行くって言ってたから。俺も桃香と一緒に店に行こうかと思って」
「そ//そっか///」
この顔は、喜んでくれてるのかな……?
嬉しそうに笑う桃香を見て、俺も嬉しくなる。
迎えにきてこんなに喜んでくれるなら、もっと早く来ておくべきだった。
「じゃあ、俺たち行くな―」
「じゃあねぇ、桃香ぁ~~」
手を繋ぎ、仲良く手を振って歩き出す信二たち。