キミが望むのなら
「2人ともうまくいってよかったね」
「そうだね」
柔らかく笑う桃香に、俺も微笑み返す。
「じゃあ俺たちも、行くか」
「そうだね」
「って言っても、店までの距離だけど。ごめんな、放課後デートとか出来なくて」
俺の時間があればいいんだけどな……
「もぅ、前も言ったけど、謝らなくていいよ。それにさ、こうやって店に行くまでの道のりを一緒に行けるだけでも、あたしにとっては放課後デートだし」
「っ……///」
ニコッと笑って、手を繋いでくる桃香に、俺の頬が熱くなるのがわかった。
「桃香、卑怯だ……」
「え!?何が!?」
「何でも。ほら、行こう」
「えぇ!?気になるじゃん!!」
無自覚であんなこと言うなんて、桃香は強者だ……
「あっ、そういえば今日から新しいバイトの人が入るんでしょ?」
「あっ、そうなんだ……。それでさ、そいつ……桃香?」
歩き出した足をピタッと止めた桃香。
不思議に思いながら、桃香から視線を離し、桃香の視線の先を見る。
「っ!!」
なんで、こいつが……