キミが望むのなら


「ありがと」


それを嬉しそうに食べる桃香。


「桃香」


「ん?」


――チュッ


「なっ///」


「うん、桃味だ」


「誰かに見られてたら……」


口の中にアメがあるせいか、しゃべりにくそうにそう言った桃香。


「大丈夫、大丈夫」


「バカ……///」


ギュッと抱きしめると、桃の甘い香りがする。


俺があげた桃の香りのする香水。


これは2ヶ月記念の為にあげた。


本当はちゃんと記念日にあげたかったんだけどね……



「もう!中に入るよ!」


俺の腕から逃げ出して、店の中に入った桃香。


あぁ―あ、逃げられた。



俺の服に少しだけうつった桃の香り。


香水にしたのは理由があるんだよな。






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