キミが望むのなら
信二が言ってた言葉。
『香水は自分のモノだっていう、証みたいなモノなんだよな』
それを聞いた瞬間、プレゼントは香水に決定した。
まぁ、ただの独占欲だけどな。
さ、俺も中に入るか……
「悠君……」
「……由佳」
「あっ、今日からバイトで入ったんだ」
「あぁ、聞いてる」
いつからここに居た?
全然気づかなかった……
「あの……悠君。さっきの女の子って……」
桃香とのこと、見られてた……?
「悠君?美智花さんが呼んで……え?」
なかなか店に入らない俺を呼びに、桃香が外に出て来た。
「えっ……と」
「桃香、おいで」
由佳の表情が一瞬曇ったのが分かったが、桃香を呼んだ。
「今日からバイトに入った、土岐[とき]由佳さん」
「あっ、そうなんだ」
「それでこちらは鈴木桃香さん。俺の彼女なんだ……」
「っ……」